≪60≫奈良萬 純米吟醸 酒未来
GW中に行った酒屋さんで記事にしたSS鈴木商店さんで購入したお酒がこちらです。
お店の方も丁寧に説明してくださいましたが、言わずとしれた十四代の蔵元の高木さんから譲り受けた酒未来で醸したお酒です。
今期(28BY)が二期目の造りになるようです。今後はどのような展開になるのでしょうか。
酒未来のお酒では、山形正宗以来。
お店の方も、これがおススメですよーと販売してくれましたが、貴重なお酒を観光客に販売していただいて本当に感謝しています。
グレーの下地に赤い奈良萬の文字が非常にクールです。
こちらの酒未来は、一升瓶のみのラインナップです。
奈良萬といえば、前の記事でも触れた通り五百万石のスペシャリストですが、
さてさて、いかがでしょうか。
香:
豊かな米の風味を感じさせます。明るさもありつつ、うまみを想像させます。
味:
スムースな舌触りからスタート。
中濃ソースのような旨みと甘みがダイレクトに。
ややメロンの風味が感じられます。お米のペーストじゃないかというような旨み。
やわらかい旨みが舌に乗って、パウダリーに溶けていきます。
遅れて、サイダーのような清涼感も。
最後に、アルコールの風味が、ドライさを演出してくれます。
個人的に、最後のアルコール感が気になりますが。
非常にバランスのよい美酒だと思います。
特に食中酒
きちんと味が乗った仕上がりですし、それでいて適度にフレッシュさもありますし。
ただ、こちらの銘柄は五百万石でもこのラインの味を出してくれる分、酒未来を使用しているというサプライズ感は薄いかなと。
社長さん自身が、五百万石にこだわった造りに悩まれてる時に、ちょうど酒未来を譲ってもらう機会がめぐってきてチャレンジした銘柄なのでまだ手探りの段階なのかもしれません。
基本のラインを崩さない狙いで醸している可能性もあるので、そこらへんを一度蔵元さんに聞けたら幸いだなぁ。
いろいろぼやいてみましたが、食中酒にぴったりの酒質でした。ごちそうさまでした。
個人的お気に入り度:86
精米歩合:53
アルコール度:16%
使用米:酒未来
蔵元情報:夢心酒造 株式会社
購入価格(税抜):3,000円/1,800ml
≪59≫W 純米 愛山 無ろ過生原酒
今回は、岐阜県の渡辺酒造さんの「W(ダブリュー)」です。
こちらは全国でも5軒ほどの取り扱いの特約店銘柄とのこと。
実は、2月に山田錦をやったんですが、写真に自分が写ってしまいまして…
さすがにモロだったのでやめました。
さて、このお酒との出会いは、約2年ほど前。よく行くお酒屋さんで
「〇〇を超えるコスパ酒!!」(超有名な、あの山口の蔵元のお酒です。)
と書いてあり、なおかつ近くの若い女性が「今までで一番おいしかったんだよー」と言っていたのが印象的で。
正直、鼻で笑っていました。笑
そのわけは、渡辺酒造さんのHPを見ていただくとわかる通り、なんとなく日本酒マニアな方は避けそうな雰囲気がしませんか?(失礼ですが)
最近では、某大ヒットアニメ映画にちなんだお酒もあり、商売っ気が強いなぁと思わせます。
ただ、その鼻で笑った時に購入したんですが、度肝を抜かれたんですよね。
1,200円台の純大スペックの山田錦できちんとした味わいだったので、そりゃ〇〇以上のコスパだなと。
で、今年の2月に飲んだときも同様の印象だったので、今回は愛山に挑戦です。
ちなみに山田錦はピンクのラベルデザインですが、ちょっと〇〇〇〇の〇っぽいですよね。
さすがに、XとかYはモロですから。
すみません、ちょっと今回は下世話な話ばっかりでした。
香:透き通ったベリー系。
味:
つるつるしたよく磨かれた味わいが流れ込みますね。
品の良いメロン、ややベリーも。
甘みはきちんと感じられますが、うすーい透明なベールで包まれており、ダイレクトに強く感じられるというわけではありません。
うっすら苦みだったり、アルコールの辛味もありますが、ニュアンス程度で、素直においしい、飲みやすいお酒ですね。
ややポチャッとしてますが、派手すぎず。
良いバランスだと思います。サイダーのような清涼感もありますし。
ただ、山田錦を飲んだときとそこまで印象が変わりませんね。
もう少しサプライズ感があると思っただけに残念です。
愛山を使ってバランスよく作ったという感じです。
でも、1,500円で愛山を50まで磨くんですからね。
山田錦は1,200円台ですけど、他の酒米のものも格安ですし。
飲食店は、これを置ければ本当うれしいんじゃないでしょうか。
女性受けもよさそうなラベルです。
お気に入り度 85
≪58≫伊予 賀儀屋 限定選抜生原酒 純米赤ラベル特別限定品
今回は実は外のみ、家のみでも初めての賀儀屋です。
もちろん知ってはいるんですが、なぜか飲む機会がなく。
僕が飲み始めた5,6年前から首都圏では知られてた銘柄ですよね。
今回は通年商品でおそらく定番の赤ラベルから、通常はブレンドをする中でこちらはブレンドする前の単一タンクのものを出したものだそうです。
思えば、愛媛のお酒は飲んだことがないのと、限定選抜という文字に惹かれて。
前も言いましたが、こういう長文の裏面が大好物です。笑
香:
米のふくよかな旨味を予感させますね。うっすら梨のような
味:
磨かれた明るさのある酸味とうまみが心地よいですね。
その中から、力強い甘みが染み出して口中に一杯になります。
そのあと、アルコールのドライ感と、渋みが締めてくれます。
細かい部分は違いますが、なんとなく辰泉と構成が似てますね。
辰泉よりは、明るい酸味だったり、甘みが目立っている分飲みやすい。
クリアで透明感もありますが、コクもきっちり感じられるお酒です。
最初は冷酒でいただきましたが、そうすると味わいに角が立つので、常温の方が良いですね。
さすがの生で、ブレンドしていないだけあって、生命力と力強さ感じます。
2日目
昨日よりかは、味わいが落ち着きましたね。
生命力は確かに感じつつ、明るさもあります。
やっぱり旨味どっしりしてますね。落ち着いて飲めます。
後味で、うっすら醤油のような香ばしさも。
結構するする飲んでしまいましたが、もう少し時間をかけて飲めばよかったです。
個人的に、賀儀屋は火入れできちんと寝かせた方が好みかなと。
今回飲んだ印象では、そう思いました。
個人的お気に入り度:84
名称:伊予 賀儀屋 限定選抜生原酒 純米赤ラベル特別限定品
精米歩合:60
アルコール度:17.5%
使用米:松山三井
蔵元情報:成龍酒造 株式会社
購入価格(税抜):1,409円/720ml
≪57≫辰泉 純米吟醸 京の華1号
さて、今回は辰泉です。
しかも最も特徴的な京の華。
京の華とは、大正時代末期に山形県庄内地方で生まれたお米で、栽培の難しさから昭和には消滅してしまった幻のお米とのことです。それをこちらの蔵元が復活させ、以降大事に育てられてきたそう。
以前の萬歳と似たようなお話ですね。復活自体容易なことではないでしょうが、蔵独自の味わいのお酒を造る意味でも、価値のある行為だと思います。
実は昨年も飲んだことがありまして、失礼ながら飲みやすくはないけど飲みごたえがあるなーと感じたので再確認です。
ラベルも変わったようですね。
表記上だと、今年のは無濾過ではなくなったのかな。
香:
よくある果実的な香りと若干のセメダインっぽさが。
味:濃厚な味わいに、ざらざらとしたアルコール感が。
非常に力強い味わいです。ああ、こんな感じだったなと。
甘みもしっかり感じられ、やや渋みも顔を出します。
はっきり言って、非常に癖が強いですが、ピーキーな感じで面白い。
雑味ともいえるような雰囲気も感じられ、土、穀物の味わいすら。
これは上級者向けのお酒ですね。
2日目
ツンとくる香りが健在です。今日は、酸だったり、辛味が目立つかな。
今日は、裏面のラベルそのままです。
うま、甘、酸、辛、苦がグラデーションでやってきます。
最初は、柔らかく舌に乗ってきますが、そこからピアノのように駆け上がる。
後味は、渋いです。ぷーんと、アルコールの風味と混ざって渋みが舞います。
単体だと、飲みごたえがあるお酒ですが、食事なんかと合わせるとそこまで気になりません。
土っぽさとも書きましたが、吟醸スペックなので綺麗な造りではあります。
太陽に近いように感じますが、あちらの方が甘みが出てた分飲みやすかった。
3日目
昨日までのが嘘のような甘さ。
果実感が段違いです。マスカット、メロンにほんの少しマンゴーも感じるかな。
後味に、香ばしさ、芳醇さが。
これはサプライズだなー。大典白菊並みの変化かも。
個人的お気に入り度:85
名称:辰泉 純米吟醸 京の華1号 精米歩合:60
アルコール度:16%
使用米:京の華
日本酒度:-1
酸度1.7
蔵元情報:合資会社 辰泉酒造
購入価格(税抜):1,750円/720ml
≪56≫九郎左衛門 雅山流 〈吟醸仕込〉無濾過純米生酒 葉月
今回は山形の雅山流です。
個人的にど定番すぎてなかなか手を出さなかった銘柄です。
また、裏含めてなかなかラインナップが掴みにくいので、今回は良いきっかけです。
五月出荷ながら葉月なので夏向けお酒でしょうね。
さていただきましょう。
香
そこまで強く香りませんねー。
うっすら米の雰囲気、うっすら果実感(強いていうなら梨)かな。
味
うすーく伸ばした線ような、細く心地よい甘味が穏やかに。
確かにフレッシュさはよく感じられます。良い軽さです。
舌の上を軽く走る程度で、するする飲めますね。
甘さは終わりにちらっと顔を出します。
最後に、うっすらとアルコール感が。
非常に透明感があり、癖がないですね。
おとなしい味わいですが、不思議と物足りなさは感じず。でも飲兵衛の方は物足りないかもしれませんね。
ただ生原酒教の僕でも満足できます。
温度が上がると酸味の存在感も。強く主張しませんが、この存在感が味わいにもつながっています。
二日目
昨日までの綺麗な雰囲気が続きます。
少しバナナ、メロンの風味も出だしました。
昨日も言えますが、香り主体ではなく、きちんと味わいの存在感があるので、飲み飽きしないです。
これだけの銘柄だけあって大きなサプライズはありませんが納得の美味しさですね。
やや定価がするのがマイナスですが、このていどなら。
個人的お気に入り度:85
名称:九郎左衛門 雅山流 〈吟醸仕込〉無濾過純米生酒 葉月
精米歩合:60
アルコール度:14%
使用米:出羽燦々
蔵元情報:有限会社新藤酒造店
購入価格(税抜):1,600円/720ml
≪55≫会津中将 純米吟醸 夢の香
GWに買ったお酒を今やってるんですから、遅すぎですよね。
今回は、会津中将です。
名前の通り、会津若松の鶴乃江酒造さんによる銘柄。
完全に初めていただく銘柄になります。
香
コメの香味。バナナの甘味がちょこんと ややチョコのような雰囲気も。
味
非常に、軽快で軽やかなです。
舌に乗った時に、水を思わせるクセのなさに徐々に味わいが顔を出します。
やや明るい酸と甘味 後味にピリッとした辛味が。
ほんの気持ちチョコ・カカオのような香ばしさが感じられます。
基本的には綺麗な作りですが、香味、風味が立ってますね。
甘味自体も印象強く感じられ、明るいメロン、バナナがうっすらと。
軽快にスルスル飲める中に、じんわりおいしいなと感慨にふけられます。
火入れのおそらく加水してるだけあって、生原酒のような重み、濃厚さは感じられないけど、きっちり味わえるが感じられる秀逸な作りだと思います。
熟成にも耐えられそうな酒質にも感じられますね。
3日目
少し崩れてきた感ありますが、スローなテンポで味わえます。
やや赤い果実を思わせる甘味も。
穏やかに芳ばしく味わえますね。おいしいです。
個人的好み:86/100
名称:会津中将 純米吟醸 夢の香
精米歩合:55
アルコール度:15%
使用米:夢の香
日本酒度:+2
酸度:1.5
蔵元情報:鶴の江酒造株式会社
購入価格(税抜):1,400円/720ml
≪54≫十六代九郎衛門 特別純米 ひとごこち 夏生酒
いよいよ7月に入り、今年も半年が過ぎようとしております。
少し落ち着いた段階で、上半期のまとめをしたいと思いますので、よろしければご覧ください。
非常にムシムシと気持ちが悪い日々が続きます。
いかにも日本の夏といった感じですね。
個人的には、少し早い気もしますが夏酒を解禁したいと思います。
今回は、長野県 湯川酒造店さんの十六代九郎衛門の夏バージョンです。
もともと日本酒にはまったのが6年前で、その時はぎりぎり十五代だったかな。
そこから、十六代と名前を変え、今では実力蔵の仲間入りを果たした印象です。
夏酒にありがちな「青色」でなく、灰色しかも蚊取り線香というのがなかなかユニークですね。
「ポッ」っと元気の良い開栓音。さすが直汲み。
香:
バナナ、米の甘みを感じる香り。やや、お酒の辛味を思わせる香りも。
味:
米のうまみが主体で、中くらいの存在感の甘みが舌にガツンと。
支える程度の酸味がわずかに。最後に、ドライ感がピリッと締めてくれます。
かなり甘みが伸びる印象ですね。らせんを描いて口中に広がります。
甘さ自体は、米の風味、ふくよかな感じです。やや果実感もあります。
例えられないですが、しいて言うならメロンでしょうね。
ドライさによる甘みの増長効果がとても心地良いです。
結構甘みが主役なので、きっちり冷やして飲むと良い気持ちで飲めると思いますよ。
流行りのきれいな酒質と比べると、言葉は悪いかもしれませんが、やや濁っているというか、きっちり味わいがあるお酒です。
こういう味わいとしてきっちり設計をして造られたお酒だと思います。
3日目
さすがに、ガス感はなく。
代わりにとろけるような舌ざわり。
相変わらず、甘さとドライさは健在です。
今日の方が、米とメロンのサイダー割り!というようなわかりやすい印象。
細くスッキリ系なお酒にはないタフさを感じますね。
素晴らしいバランスだと思います。
夏酒として、スッキリした、それこそサイダーのようにいただけるお酒もよいですが、こういった味わいも出しつつ、軽快に飲めるお酒もよいですね。
個人的好み:87/100
名称:十六代九郎衛門 特別純米 ひとごこち 夏生酒
精米歩合:60
アルコール度:17%
使用米:ひとごこち
スペック:直汲
蔵元情報:株式会社湯川酒造店
購入価格(税抜):1,250円/720ml