《53》三連星 番外品Ⅲ 彗星50%
記事が空いてしまいましたが、前回の予告通り彗星を使用したお酒です。
今回は、滋賀県 三富久酒造さんの「三連星」です。
「三連星」の銘柄通り、「ド〇」を連想させるラベルで有名ですよね。
若い杜氏3名で作られているから、三連星だそう。
その中で、彗星を用いて、それぞれ違う磨きで出したシリーズものの第三弾。
それぞれ色違いのラベルで、赤・紫・この金です。
個人的には、こういうノリのラベルは大好き。
香り:
透き通った香り。非常に軽快でかつ確かな味わいの予感。
味:
おお、なかなか芳醇な甘味ですね。バナナの風味かな。
非常に心地よいです。
「重い」という一歩手前の、どっしりと旨味が感じられます。
相反するようですが、澄んだ旨味 清涼感もきっちりと。
やや、ドライに昇華していく感じ。
お米の特性なのか、この透明感や清涼感はすきだなぁ。
きっちりトレンドに照準を合わせた堅実なつくりだと思います。
芳醇だけどくどすぎず、なかなかのコクと旨味の存在感です。
それでいて、線がありシャキッとした味わいです。
3日目
今日は、トロピカルな様相に。
甘みの深み・深度が2段階、3段階深まりましたね。
雰囲気は、花陽浴とか近いかな
ただ、それよりくどくないような印象。
スムーズに味わえる甘味
濃密さ、清涼感の同居具合が逸脱ですね。
やや後味が渋い、のが残念。
メロン、ミルキーさも感じる瞬間もあり、その割にスッキリなんですよね。
個人的好み:88/100
名称:三連星 番外品Ⅲ 彗星50%
精米歩合:50
アルコール度:16%
日本酒度:+1.4
酸度:1.5
使用米:彗星
スペック:純米大吟醸 生原酒
蔵元情報:美冨久酒造 株式会社
購入価格(税抜):1,482円/720ml
≪52≫ちえびじん 純米大吟醸 彗星 おりがらみ生酒
※1月に飲んだお酒です。
次にやるお酒が「彗星」を使用したものだったので、そういえば記事にはしていないけど、好印象だったこちらを紹介いたします。
大分県 中野酒造さんの「ちえびじん」です。
こちらも現在広く知られている銘柄ですよね。
たまたま、正月近辺の購入でしたが、時期にピッタリのデザイン。
縦書きの漢字の銘柄が多い中、横書きのひらがなという日本酒の枠に収まりながらセンスを見せているなという印象です。
ちえびじんは、ひとめぼれのみ頂いたことがあり、今回で2種類目。
非常に楽しみです。
さすがに、あふれるガス。
目視した感じだと、きちっと絡んでますね 濁りとおりも。
香
チャーミングに香りますね 派手ではないですが、柔らかな味わいを期待させるような。
バナナかな。
味
柔らかい甘みが舌にチャーミングにポヨンポヨン跳ねる感じ 。優しく。
舌触り滑らかですね。
派手に甘みを出すよりも、効果的にチラチラと。
うっすら苦味もあるけど、後味を締める感じです。
奈良萬にやはり近い感じだけど、もう少し大吟醸ぽい味わいですね。
品の良い優しい甘み、うまみです。
しみじみおいしいなぁと思わせる一杯です。
ひとめぼれのときにも思ったけど、ガンガン濃い風潮の中で、スケール感を保った味わいにするのはすごいと思います。
きっと加水はしてるんだろうなぁ。加水のよさもあり、なめらかにいただけます。
チャーミングで甘く、香りも高いんだけどするするいけます。
温度が常温に近づくにつれ、白桃っぽさも。
これは飲みすぎ注意です。
「彗星」は溶けづらいお米と聞いていますが、そういう印象はありませんでしたね。
2日目
今日も元気よくポンと
香
落ち着いた感じ 昨日よりバナナ控えめ
味
いいねータッチの良さは相変わらず健在 昨日はおだやかな甘みだったけど、少し主張するように
エレガントな甘みとも言える
でも上品だね、ジューシーというより蜜的な感じも あと味はほんの少しドライ
口に含んだ感じのふくらみが良いね
味の乗りにくい彗星の特性をある意味活用しつつ、綺麗なんだけどほどよくジューシーにしてる
個人的好み:87/100
名称:ちえびじん 純米大吟醸 彗星 おりがらみ生酒
精米歩合:48
アルコール度:18%
使用米:彗星
スペック:純米大吟醸 おりがらみ 生
蔵元情報:有限会社 中野酒造
購入価格(税抜):1,800円/720ml
≪51≫千曲錦 純米大吟醸 原酒
酒屋さんに行ったは良いけど、思うようなお酒がないときってありませんか。
それで店頭に常に店員さんが立っているお店なら帰りやすいんですが、奥から出てくるっていうパターンがよくありませんか。
そういう時に何か買わなきゃっていう小さい見栄が働くんですが、今回のお酒の購入経緯はそんな感じです。笑
千曲錦酒造さんの「千曲錦」です。
完全に初見銘柄なんですが、日本酒好きとしては全量山田錦、それも50パーセント磨き、それでいて税抜き1,250円ですからね。
破格のお値段だと思います。
非常にシンプルなラベル。
日本酒度と酸度がアバウトなので、これなら載せなくてもよいかと。
香:
うっすらと吟醸香が。久しぶりにシンプルなタイプ。
味:
非常になめらかで、とろーっとした口当たりです。
このとろみの中に、中くらいの甘みが流れ込んできますが、それほど強くなく。
その流れが持続するかと思いきや、スパッと切れていきます。
ここはちょっと寂しいかなー。普段、生原酒になれた舌だと少し物寂しいですね。
いわゆるフルーティで、すいすい飲めるタイプですよ。
火入れのモターっとした気配を感じますが、うまく抑えられているかと思います。
購入した酒屋さんでも冷蔵庫に入っていたので、品質管理もできている証拠ですね。
最近飲んでいないですが、値段設定やコンセプト、味の雰囲気など、「獺祭」に近いかと。
最近のトレンドに寄せているのか、はたまた偶然なのかわかりかねる部分はありますが、無理に獺祭を買わなくても、こういったお酒で十分だと思います。
と言いつつ、日本酒ブログをやってて、引き合いに出すからには、一度は獺祭もやらないとなーと思わされました。
個人的好み:82/100
名称:千曲錦 純米大吟醸 原酒
精米歩合:50
アルコール度:16%
使用米:山田錦
スペック:純米 原酒
蔵元情報:千曲錦酒造株式会社
購入価格(税抜):1,250円/720ml
≪50≫風の森 愛山 純米しぼり華
まず、このブログもついに50記事を迎えました。
飽き性の僕がここまで続けてこられたのも、閲覧してくださる皆様のおかげです。
それと、ブログ閲覧も2000を超えました。重ねてお礼申し上げます。
風の森の愛山です。
風の森はこのブログ初登場です。
この銘柄については言わずもがな、現在の日本酒のトレンドの一角だと思っています。
僕はあまのじゃくなんで、有名銘柄の頻度は低めにしようと思っていますが、愛山ミーハーが働き、ついつい購入してしまいました。
スペシャル感のあるラベル。非常にゴージャスですね。
精米歩合高めとは言え、四合瓶で1400円ですから、非常にお安いです。
篠峯といい、風の森といい、奈良県は素晴らしいですね。花巴、みむろ杉、百楽門、大倉、あとはこの間の儀助など。
非常にホットな県です。
開栓すると、プシューっとガスが。
さすが風の森だけあって、このガス感。
香:
良いですねぇ。バナナ、バニラが上品に優美に香ります。
ここまで香りで魅せるお酒は久しぶりですね。
さわやかさもありつつ、甘美さも。
味:
ああ、すごいですわ。これ。
まずガスはそこまで強く感じず。
非常に明るい酸が最初に顔を出し、甘みうまみはちょこっと。
ガスが味わいを彩ってくれています。
それでいて、世界観というべきか、味わいの立体感が感じられますね。
立体感の端は鋭くエッジが効いています。
酸だったり、甘みの感じはマスカットですが、香りだったり雰囲気はバニラですね。
80の磨きなのに、程よくクリア。
それでいて、うっすらとコクというかうま味を感じられます。
ガス感が味わいのドライさを演出してくれます。ただ、香りの余韻というのはしっかり。
最後に、ビターに苦みが締めてくれるんですが、これも絶妙ですね。
僕は基本的に食事に合わせるんですが、この風の森は単体の方が良いですね。
久々に感動した一杯です。
基本、雄町酒は好きなんですが、それ以外では長陽福娘以来かなぁ。
あくまでガス頼みじゃなく、きちんとした世界観があり、立体的に味わえる点は共通してますね。
50という節目にふさわしいお酒でした。ありがとうございます。
3日目
開栓時、ボンと大きな音が。
これが風の森ですよね。久しぶりに飲んだんで忘れてました。
初日とは打って変わって、愛山らしいスケールの大きい甘みが。
独特の立体感は相変わらず。
ジューシーなマスカット。そこに、赤い果実のコク、完熟が加わったような雰囲気。
遅れて酸味がエレガントに登場。
最後にガスでドライ風に締めてくれます。
濃密さ、スケールの大きさに対し、軽快で明るいですね。
加えて、濃さ、力強さも持ち合わせています。
特に、輪郭がありながらとけていくような甘みは、絶句しますね。
個人的好み:92/100
名称:風の森 愛山 純米しぼり華
精米歩合:80
アルコール度:17%
使用米:萬歳
スペック:無濾過生原酒
蔵元情報:油長造株式会社
購入価格(税抜):1、400円/720ml
≪49≫萬歳 純米生原酒 七割磨き
名古屋旅行の際、購入した「萬歳」です。
東京近辺の方は、二兎のほうで知られている蔵元かもしれません。
二兎も非常に気になるので今年中にはやりたいですね。
大正天皇にも献上したことのある「萬歳」という米を復刻し、お酒にしたとのこと。
日本酒の盛り上がりの中で、お米の復刻とか見直しがあるのは良いことですよね。
ラベルからは、和の雰囲気、おとなしさを感じますがいかがでしょうか
香:ほどほどの香り。うっすらクリーム。キュートな酸。
味:
非常に軽やかで、みずみずしいですね。非常に磨きこまれてキラキラした水晶。
そこに、甘夏、レモンのようだけど優しくキュートな酸味を溶かし込んだような。
クリアで、この磨きにありがちな雑味は感じられませんね。
そこに、若干のクリームを溶かし込んだようなコクが感じられます。
お酒の輪郭自体は強くないですが、存在感はしっかり感じられ、するすると飲めてしまうお酒です。
非常にモダンな食中酒だと思います。
基本的になんでも合うとは思いますが、断然和食でしょうね。
多少オイリーな焼き魚には抜群に合うと思います。
白菊のときにも感じましたが、直汲みやおりがらみなど、また別バージョンを出してもおいしい酒質に感じましたね。
これからの食中酒のトレンドになっていくセンスを感じます。
ここから日にちを経てどう変化していくか非常に楽しみです。
2日目
昨日のふるまい通り、クリアなまま少しとろみが出てきたかな。
また、昨日より穀物的な雰囲気を感じるように。
でも相変わらずおいしいですね。
この磨きでこの味わいはすごいと思います。
4日目
さすがに酸が浮いてきました。
まるで、グレフルジュースかのようです。
これはこれでおいしいですが、このお酒の本質は1日目の姿だと思います。
個人的好み:85/100
名称:萬歳 純米生原酒 七割磨き
精米歩合:70
アルコール度:16%
使用米:萬歳
スペック:純米 生原酒
蔵元情報:丸石醸造株式会社
購入価格(税抜):1,092円/720ml
≪48≫奈良萬 純米おりがらみ生
※1月に飲んだお酒です。
ナンバリングするのも気が引けるのですが、メモは取っていたので記事にします。
ちょうど新酒になりました。
奈良萬といえば、五百万石にこだわった酒造りの蔵元です。
瓶底に1センチ程度の滓が。
注意札もありましたが、吹き出さず。
香:
サイダーにリンゴのようなニュアンス。お米のうまみが感じられます。
味:
甘みとうまみとサイダー感のバランスが逸脱ですね。
べたな表現ですがジューシーだなぁ。
後味はきっちりドライです。舌をうまみが駆け上がる瞬間がとても気持ち良いです。
温度が上がるにつれて、クリームメロンソーダ。
フルーツの味わいも感じられるように。
濃厚なんだけど軽快で、気持ちの良いお酒だなぁ。
2日目
クリームっぽさが増してきました。
メロンというより白桃のようにも感じられます。
ガス感は落ち着いて、その分甘みを感じられるように。
酸は脇役程度、クリーミーさ、シルキーさが強まったかな。
良いバランスでいただけるお酒です。
個人的好み:88/100
名称:奈良萬 純米 おりがらみ生
精米歩合:55
アルコール度:17%
使用米:五百万石
スペック:純米 おりがらみ 生
蔵元情報:夢心酒造株式会社
購入価格(税抜):1,300円/720ml
≪ex1≫FAR YEAST TAPECUT IIPA
本日は番外編。ビールです。
いわゆる地ビール、クラフトビールの類も好きでよく飲んでいますが、メインは日本酒なので語るほどの知識もなく…
ただ、山梨在住人間として、かなりのビッグニュースなので、今回いただくのはこちら。
FAR YEAST TAPECUT IIPAです。
簡単にご紹介すると、馨和 KAGUA で知られるFAR YEASTの国内醸造所として、山梨県の小菅村に醸造所を構えたそうで。
その第一弾がこちらです。
小菅村は、多摩川の源流に位置する人口が千人に満たない小さな村で、今回おそらく村おこしの一環として誘致した背景もあるんでしょう。
いわゆるテープカット、幕開けという意味なんでしょうね。
いいですね。おしゃれに決めています。
香
いいですね、IPAらしい刺激的な香りです、
味
フレッシュでフルーティですね。
程よくビターで、ローストの風味も感じられます。
非常にスムーズな入りに、フレッシュさとIPAならではの苦みが同居して流れ込んできます。
非常に飲みやすいIPAですね。もっと癖の強いのを欲する人もいるかもしれません。
ほどよい酸味も心地よいですね。うまみも軽快な部類で、非常に飲みやすい。
泡もきめ細やかで、含んだ軽さだったり、のどごしのよさだったり、カジュアルに楽しめるビールだと思います。
やや、ぬるめもよいですよ。柑橘(オレンジ)のような風味も出てきます。
炭酸も弱めで、ぐいぐい行けますね。
一発目としてインパクトこそ強くないものの、確実においしいお酒を造っているのは素晴らしいですね。
もともとのブランド力はあるメーカーだと思うので、国内醸造所をきっかけにどんどん販路を広げていくんじゃないでしょうか。
加えて、地元の人も普段のビールの10回に1回はこのビールを飲んでみて欲しいですね。
日本酒にしても、地のお酒を飲むっていう文化が地方に行けば行くほどあると思うので。
なんだか、日本酒の記事より熱く語ってしまっている気もしますが…笑
また、別の銘柄もやりたいと思います。