≪72≫花邑 純米酒 陸羽田 28BY
お盆休みということで、普段会わない知り合いとも会うことがありました。
普段は避けがちな一升瓶にチャレンジです。
秋田県両関酒造さんの「花邑」です。
日本酒好きの方ならご存知の方が多いでしょうが、十四代の高木酒造さんから技術的指導を受けたことで有名です。
で、味わいがさながら十四代ということで、家飲みがなかなかできない私としては念願のお酒なわけです。
(お店では何度か経験があります。)
ただ、比較的都内でも取り扱いが少ない銘柄なんですよね。
今回は、純米酒で陸羽田使用のものを。
瓶火入れということなので、一度火入れということなのでしょうか。
要冷蔵等表記がないのでわかりづらいです。
香
マスカット、青りんごを思わせる果実感。いやだという人はいないでしょう。
味
ほどよい果実感と、しっかり底を支えるうまみ、加えて結構酸味が立ってますねぇ。
冷酒の段階ですと、マスカットだったり全体的に締まったバランスでいただけます。
不思議と下手な生酒よりもフレッシュ。このあたりも、十四代イズムを感じさせます。
ある程度温度が上がってきますと、白桃だったり穏やかなニュアンスが目立ってきます。
火入れの嫌な風味ももちろん極小。このあたりは火入れで定評のある十四代に通じる部分だと思います。
きちんとうまみのピークを計算し、火入れされることがうかがえるお酒でした。
日本酒ブログをやっている以上、いつかは十四代を家飲みで取り上げなければと思っておりますが、いつになることやら。
次は、花邑の生か、翠玉をやってみたいですね。
おいしかったです。
個人的好み:87/100
名称:花邑 純米酒 陸羽田 28BY
精米歩合:55
アルコール度:15%
スペック:瓶火入れ
蔵元情報:両関酒造 株式会社
購入価格(税抜):2,500円/1800ml
≪71≫モダン仙禽 亀ノ尾 無濾過生原酒
さて、2017年上半期まとめでも課題にしていた「モダン仙禽 亀ノ尾」です。
仙禽といえば言わずもがな、モダン日本酒を代表する銘柄の一つでしょう。
ご存知の方がほとんどだと思いますが、
今回いただく「モダン仙禽」、また「クラシック仙禽」に加え、ワイン酵母を使用したドルチェシリーズ、生もとを使用したナチュールシリーズなど、現在の日本酒造りの最先端を行く蔵元です。(ドルチェシリーズは終売のようですね。)
他に、「霧降」や「羽水」など別銘柄もあります。(霧降は今年の冬に飲みました。)
また、日本酒のドメーヌ化にも力を入れており、非常にこだわりのある蔵元という印象です。
今回の亀ノ尾についても、仙禽こだわりの米であり、鑑評会には亀ノ尾で、しかも木桶で挑んで見事金賞を受賞されました。
いやー本当にすごいことだと思います。
香
明るい酸味。乳酸菌飲料に通じるような酸味です。
ああ、仙禽だなぁというような。
味
穏やか口当たりから、中くらいの旨味の中から、じわじわと甘みと酸味が。
山廃とか生酛っぽい風味も感じられ、米の旨味の表現が素晴らしいですね。
うまさの重みはほどほどで、さながら雲を思わせます。
アシスト程度の苦みが後味に漂う。
いやーおいしい。衝撃というわけではないですが、しみじみうまいですね。
ほどよく乳酸菌飲料的な酸味が感じられ、「甘酸っぱうまい」という味わいです。
口に含んだ時に、ジューシーさに内包された「水」、それもきれいな水を感じますね。
水っぽいということでなく、透明感とも少し違う印象です。
また、後味の際に、甘さの余韻というべきか、遠くに輝く甘みがいつまでも続きます。
いやーやっぱりおいしいですね。
冷酒、冷やして飲んだ方が良いと思います。
久しぶりにいただくので、この亀ノ尾が仙禽のどのラインに位置するのかわかりませんが、複数銘柄飲み比べる必要がありそうです。
お気に入り度88 (暫定時間89点)
≪70≫山間 6号 中採り直詰め原酒
記念すべき70本目。あっという間ですねぇ。
いつもブログをご覧いただいてる皆様ありがとうございます。
先日11日は山の日だからということでなく、本当たまたまの「山和」に続いて、「山間」です。笑
思い入れのあるお酒で、日本酒を飲み始めたころから飲んでみたかったんですが、なかなか購入機会に恵まれなかったお酒です。
なので、越の白鳥なんかは飲んでましたね。
個人的な印象ですが以前よりも購入しやすくなったように感じます。
今回は、仕込み6号で瓶火入れのスペックです。
香
バナナ系のイソアミ系ですね。甘さを連想させます。
クリームのような質感も。
味
生のジューシーさ全開と比べると、全体的にタイトにまとまっています。
かすかなガス感に、それでもきちんとジューシーさも感じられます。
その中に、一筋の蜜の甘みが流れ込んできます。メロンの果実感も。
嫌みのない一体感です。
特別なサプライズはありませんが、おいしいですねぇ。
舌が喜ぶうまさというか、言葉は不適切ですが清涼飲料水を飲んで「おいしいなぁ」という感じに通じます。
単純にジューシーというわけでなく、中に若干の複雑味もあり、アシストのさらにアシスト程度の微発砲も本当に心地良い。
瓶火入れということもあり、本来の山間のジューシーさを損なわない、そぎ落とさない、上記したようにタイトにまとめたような印象です。
後味の断ち切れ具合も火入れならではで、グッドです。
ちょうど今のシーズン、熟成酒だったり落ち着いた酒を好む今の気分にはピッタリですね。一杯のインパクトなら生ですが、四合瓶飲むとなると火入れが好み。
でも、来シーズンあたりは生を買ってそうですね笑
2日目
香りの印象は変わらず。
昨日よりとろけるような甘み。
水あめのような甘みが溶け出し、ピリッとした辛口の切れ味。
やっぱり全体的なまとまりはあります。
軽いジューシー感もありつつ、またラムネのような清涼感が非常に心地よいですね。
個人的好み:86/100
名称:山間 6号 中採り直詰め原酒
精米歩合:60
アルコール度:17%
スペック:中取り、直詰め、原酒、瓶火入れ
蔵元情報:新潟第一酒造 株式会社
購入価格(税抜):1,528円/720ml
≪69≫山和 特別純米 中取り原酒 Rock
宮城県のお酒ブログ初登場です。
個人的に、宮寒梅が好きで印象にある県で、もちろんDATE7なんかも存じています。
恥ずかしながら、参加7蔵元全て言えと言われてすぐ出てきませんが。。
そんな宮城県やDATE7で存在感を示しているのが、この山和でないでしょうか。
雑誌の記事で、食中酒、食事と寄り添えるお酒を目指していると読んだ記憶があります。
夏向けとして「特別純米 中取り原酒 Rock」です。
一目見ると、瓶そのままに見えるラベルでおしゃれです。
香
バナナを主体で感じるイソアミ。ややベリーも感じる、近年の主流というような香り。
少し、刺激的なアルコール感も。
味
透明感の中に、酸味がしっかり立っていますねぇ。
非常にスッキリと後味に嫌みなく、いただけます。
その中に、ベリー系、メロンを連想させる甘みがきっちりと。その分、酸味が対比で際立ちます。
華奢ですが、自立性のあるので物足りなくはありません。
食事にピッタリ、確かに寄り添うお酒だと思います。
ロックで
非常に軽快、こう飲むと青りんごですね。
さっぱりと、氷の影響もあると思いますが、水のようにさらさらと。
きちんと味も乗っているので軽やかですが、きちんと味わいは感じられます。
アロマのような含み香が、心地よいですね。
2日目
バニラ、クリーミーさが増してきました。
舌にのせた瞬間に、ホロりととろけるように広がり、ちりちりとしたアルコール感を残しながら。
このとろけ方が、非常に品が良く、また官能的でした。
これは鳥肌が立ちましたね。
2日目の変化には驚きました。
1日目だけですと、すっきり酒という印象だっただけに。
いずれか近いうちに、ムロナマゲンの山和をやりたいと思います。
個人的好み:84/100
名称:山和 特別純米 中取り原酒 Rock
精米歩合:60
アルコール度:16%
使用米:蔵の華
スペック:中取り
日本酒度:+3
酸度:1.8
アミノ酸度:1.2
蔵元情報:株式会社山和酒造店
購入価格(税抜):1,350円/720ml
≪68≫嘉根満 純米無濾過生原酒
ちょっと前ですが、飲食店でいただいた「貴魂」の黄色ラベルが抜群においしくて。
どこで取り扱っているんだろうと調べたところ、大塚の「地酒屋こだま」さんで取り扱っていて、かつ杜氏さんもお招きした試飲会もあるということで行ってまいりました。
笑亀、嘉根満、貴魂と約7種類ほどあったでしょうか。かなりお店も混みあっていたので、じっくりとお話というわけには行きませんでしたが、造り手の方からのお話は非常に刺激的でした。
素晴らしい機会を設けていただいた、地酒屋こだま様、笑亀酒造様に感謝申し上げます。
あ、山の日に蔵元の方で試飲会を行うそうなんで、お時間のある方はぜひ。
さて、せっかくなので今回は購入してきた「嘉根満」を。
笑亀酒造さんのメイン銘柄は、笑亀で、こちらの嘉根満は、美山錦を用いた中で特に選ばれたお酒の中から、創業時の社名を冠したお酒だそうです。
持って帰る際にラベルに傷がついてしまいました。ごめんなさい。
さていただきます。
香
香ばしさと米の風味がまず第一に。1月製造なので、やや熟成した印象も。
ドライフルーツ(プルーン)のような印象も受けます。
味
まずは、冷酒で。
この濃厚さがたまりませんねぇ。
非常に濃厚な旨味の塊から、杏、プルーンの甘みが染み出てくるような。
明るい酸味も伴って、非常にスローですが不快にならないテンポで、流れていきます。
後味は、少し焦げるようなアルコール感も。
とにかく、口内を支配していきます。
北安大国に通じるような杏っぽさと、太陽のようなハードさも合わせ持っていますね。
非常に濃厚かつ強烈ですが、全体のバランスが秀逸なので飲みやすいです。
さすがに、初心者の方には勧められないですが、日本酒を1年以上とか飲んでいる方にはトライしてほしいです。
(僕ももっと早く飲みたかった笑)
ロックなんかも良いでしょうね。
続いて常温で。
いやー本当濃厚ですね。やや穀物の雰囲気が出てきました。
また、むせるような甘み。度数は比べものになりませんが、味の濃厚さ、凝縮感は、そこらへんのウイスキーよりあるかも。
明日以降ロックでやってみようかな。
2日目
相変わらず力強くむわっとくるアルコールの風味
昨日のボリューム感を保って、かつキュッと凝縮している。
べたな表現ですが、ウイスキーのようです。
カラメル感も印象として、加えて完熟した果実感もきちんと存在しています。
ロックで、これはこれでありですが、原酒のガツンと感が減少してしまいました。
濃いーお酒が飲みたい場合は、そのままがおススメですね。
70の磨きでしたが、濃厚な旨味、力強い旨味はきちんと感じられ、かつ嫌な雑味のないお酒でした。
熟成にも耐えられる酒質だと思いますし、このお酒自体恐らく1月の蔵出しから味が深まっていると推測されます。
いやーおいしかった。かなり濃厚なので、飽きがこないか心配でしたが、あっという間に瓶が空になっちゃいました。
個人的好み:89/100
名称:嘉根満 純米無濾過生原酒
精米歩合:70
アルコール度:17%
使用米:美山錦
スペック:無濾過生原酒
蔵元情報:笑亀酒造株式会社
購入価格(税抜):1,300円/720ml
愉快者的酒場放浪記「丿貫」@福富町
2017年上半期まとめでも書きましたが、かねてより行きたかった横浜福富町の「丿貫」さんへ。駅としては、桜木町が近いですね。
こうして日本酒好きの前はラーメン好きだったので、かねてより名前は聞いておりましたが、個人的に心掴まれたのは、夜は残草蓬莱・昇龍蓬莱を扱うお店になるという点。しかも、22時までは昼間に提供しているラーメンが食べられるという点も非常に魅力。
締めラーするときって大体チェーン店ですからね。
あと、飲み好きとしては、野毛・福富町エリアというのも行ってみたかったので、良い機会でした。
独特の、決して治安のよいとは言えない雰囲気が良いですねー。
で、丿貫さんに行く際のアドバイスとして、
予約は当日の15時30分受け付けており、店に電話
19時から19時30分までの予約で、それ以降は空いている場合に電話をもらえるといった感じ。
ちなみに麺類は22時までですので、ご注意を。
丿貫さんの前に、こちら。
丿貫さんから歩いて30秒程度の、wyvernさんへ。
こちらはスコットランド料理出しているビアバーです。
個人的に、尿酸値が気になるので、泣く泣くビールはスルーし、モルトを。
お任せで、かつ僕自身が初心者ということで、基本的なセレクトをしてくださいました。
本当飲んだことがない人間としては入門編として最適なお酒たち。
日本酒でも段々と好みが、熟成舌になってきたので個人的にはボウモアの癖のある感じが好きでした。
さて、予約の21時30分を前にして、お電話をいただいたので、wyvernさんには大変失礼ですが、お目当ての丿貫さんへ。
とても、行列のラーメン屋があるとは思えない路地裏に。
店内は、21時すぎというのに1席を除いて満席でした。
まず店員さんから、本日のラーメンについてのレクチャーを。
鰺の煮干しのラーメンで、温と冷・また醤油と塩が選べるとのことでした。
また、こちらのお店では江戸時代から幕末にかけての骨董蕎麦猪口でお酒がいただけます。
これも、なかなか味がありましたよ。真似してみよーかな。
まず、「とりあえず」というウズラの卵とネギの醤油漬け と 昇龍蓬莱 雄町 生原酒で乾杯。
厚いうまみのあるお酒で、杯がすすむ、すすむ。
続いて、のん兵衛的インスタ映えするつまみナンバーワンの「厚切り炙り肉刺し」を。
醤油はこだわりの甘口醤油とのことでした。
まぁ、文句なくおいしいですよね。これを食べに来たんです。
で、昇龍蓬莱を早々に飲み終え、注文したのが「残草蓬莱 Queeen」の炭酸化です。
「君、この間やった日本酒をやるとは何事か!」という方、すみません。
また、「日本酒の炭酸化なんて邪道な!」「澪を飲めばいいじゃん」と思った方、すみません。
かくいう僕もそう思っていたんですが、酔いの勢いも手伝い注文してしまいました。
でも、これがすげーうまいんですよ。笑
炭酸といっても、直汲み系のガス感が強い程度の心地よい炭酸で、Queeenの旨味のブーストになるんですよね。
いや、本当おすすめです。
で、調子に乗って次はこちら。
四六式と牛の煮込みです。
何気に四六式も初めてでしたが、きりっと飲め、酸味も心地よく効いていておいしかったです。
牛の煮込みは、バルサミコソースがまたお酒とマッチして、これも幸せ。
で、締めの煮干し醤油を。
見た目を見ていただいた通りですよ。
いわゆるセメント系煮干しラーメンですね。ただ、鰺の煮干しということもあり、苦みはそこまでできちんとうまみの感じられる一杯でした。
で、気をよくして、手造り純米を、燗で。
これまでの3杯のようなサプライズはありませんが、しみじみうまいというのはこのことです。
で、最後の最後調子に乗って、冷やしの塩を。
これもうまかったですよー。本当に酔っぱらったときは伸びにくい冷やしがおすすめですね。
温かい時とは違った、まろやかさ、円熟味みたいなものを感じましたね。
飲んでるときから思ってましたが、本当クレイジーだなぁと。笑
振り返ってみても、本当食いすぎ&飲みすぎですね。笑
とても合計金額は書けません!!!笑
でも、本当に至福の時間でした。
もう記事にしている時点でまた行きたいです。
残草蓬莱と料理の相性も良かったですし、日本酒を飲みなれない方にもおすすめです。
接客も含め、満足度が高いお店でした。
ごちそうさまでした。
≪67≫若竹屋 特別純米 雄町 NUDY
全国各地で豪雨による被害が聞かれる中、特に秋田県の刈穂で知られる「出羽鶴酒造」さんの被害状況が心配ですね。
皆様もぜひお気を付けください。
さて、今回は福岡県の「若竹屋」です。
初飲みですが、個性的なお酒を造る蔵元の印象があります。
今回は、雄町を使用した特別純米のNUDYです。
まず目を引くのが、このラベル。
米が水着をはいているように見えますよね。非常にセンスの良いラベルだと思います。
また、要冷蔵等の表記がないことから一度火入れでしょうか。
香
思ったよりも繊細かつフルーティに香りますね。
ベリー、メロン系です。
味
非常に落ち着いた旨味のお酒です。
旨味の雰囲気が、たまたま、最近飲んだ昇龍蓬莱の雄町と通じる部分がありますね。
あちらより、こちらの方が素直なフルーティさかな。
米のうまみが主体で、やや遅れて甘み、酸味がついてきます。
非常に落ち着いた、じんわりした旨味です。
温度が上がるに従って、メロンの風味も出てきます。
ここら辺は、雄町らしいふくよかな部分が感じられます。
火入れと推測される、やや独特のモタッとした部分が気になりますが、全体的なバランスの取れたお酒だと思います。
今日はしていませんが、燗につけても面白そうな雰囲気です。
2日目
燗にしてみました。
非常にジューシーでふくよかなお酒に化けました。
後味もすっきりいただけるし、お燗の方が良いかも
4日目
常温に近めで、ストレスのない軽やかなメロン。
抑揚はないですが、すーっと流れていきます。
少し火入れとしての部分が気になりましたが、おいしかったです。
Debutを来年あたりやりたいですねぇ。
個人的お気に入り度 83 8月9日修正
名称:若竹屋 特別純米 雄町 NUDY
精米歩合:60
アルコール度:16%
使用米:雄町
蔵元情報:合資会社 若竹屋酒造場
購入価格(税抜):