≪75≫澤屋まつもと 守破離 山田錦 28BY
休日ということもあり、調子に乗ってもう一本並行的に開けます。
(序章が長いので読み飛ばしてください。笑)
今年の初めに、五百万石を家のみしたんですが、その時の衝撃といったら今でも忘れられません。
約1,200円という安さ・火入れとは思えない、味わい・世界観で、そりゃ日本酒好きは惹かれるよなーと正直思いました。
デイリー酒には、こいつしかいないとさえ今でも思っています。
そこから、澤屋まつもとにのめりこんだわけですが、唯一の後悔は「兵庫県東条産特上山田錦 2014」を購入しなかったことですね。
杜氏の松本日出彦氏は、DJ等もたしなみ、ラベル裏面にある通りインスタも更新しています。
「守破離」という、伝統を守り、その中で先進的な取り組みを行いつつ、新しいものを創っていくという価値観の下、酒造りを行われています。
個人的に会ってお話を伺いたい、杜氏の一人ですね。
兵庫県の有名な東条地区で栽培を行い、理想的な米作りを行っているようです。
仙禽の仕込み水と同じ水脈で育った米で作るドメーヌ化とは、また別の方向性だと思います。
どちらが良いと論じることはできませんが、日本酒の多様化・深化には欠かせない動きであると思います。
さて、非常に長くなりましたがいただきます。
香
高貴なマスカットにバニラをプラスした、気品のある香り
非常に明るく、エレガント
味
穏やかで、柔らかですが、きちんと米のうまみが透明感とともに表現されています。
透明感とともに、ミネラルさも感じられ、その分すっきり飲めますね。
マスカット・バニラを思わせる風味が、酒の中にマイクロ粒子状に溶け込み、口内で撹拌した際、穏やかにかつはっきりと感じられます。
これが非常に上品なんですが、官能的にも感じられるんですよねー。
白ワインのようにすっきりとミネラルさも感じられ、でも日本酒なんです。
このバランス感覚はなかなかないかな、と。
篠峯のミネラルさに通じる部分はありつつ、より風味を伴いかつ上品。
篠峯の愛山はもう少しぼてっとジューシー。このブログ2番目にやった押槽無濾過生原酒は、もう少しスリムで表現は失礼ですが、貧相でした。(値段は考慮すれば当然だと思います。)
食中酒としてはもちろん優秀ですが、濃い味のものと合わせるにはもったいないと思います。
個人的には、むしろお酒オンリーで味わって、温度帯の変化だったり、開栓後の味の変化だったりを真摯に感じたいと思わせるお酒です。
暫定お気に入り度 90